▼1/27(東京)、1/28(大阪)でセミナーやります▼
この記事はYouTubeでも公開しています!
【結論】自己PRの作り方とは?
この記事をみることで、以下のような自己PRの作り方がわかります。
自己PRの例文:合格者の場合
私の強みは「リーダーシップ」です。高校3年生のとき、私は書道部の部長を務めました。中でも文化祭では、書道部30人が一丸となって1つの作品を仕上げる書道パフォーマンスを実施し、それを成功させるため部全体をけん引してきました。しかし私たちには、部員間で力量の差が激しく、作品に統一性が出ないという大きな壁がありました。
そこで私は、ミーティングを週に1度開催し、話し合う環境を整えたうえで、先輩・後輩問わず指摘・協力しあえる環境づくりをしてきました。部員30人全員から意見を吸い上げ、今後向かっていくべき方向性を適宜確認し、「一丸となって1つの文字を作り上げる」という意識を統一してきました。
これらの取り組みの結果、書道パフォーマンスは盛況に終えることができ、部全体で最高の思い出とすることができました。この経験から、私には「リーダーシップ」があると自負しています。
(話すのにかかる時間:55秒)
おさらい:コンピテンシーってなぁに?
自己PRは、コンピテンシー系の質問にあたるんでしたね。コンピテンシーとは、困難にぶつかったときどのように乗り越えていけるか、その ”行動特性” を計るものでした。
自己PRも、私はこれまで困難をこのように乗り越えてきました!だから、今後、医師としても活躍できます(医学界に貢献できます)!という論理にしていきます。
「(コンピテンシーってなんだ…?)」となった方は、以下の記事をぜひご覧ください!コンピテンシーについて分かりやすくまとめていますよ!
そして、これからやる「自己PR」は、全国どの大学、私立公立、推薦一般問わず出題がなされます。大学によっては「2分PR」「3分PR」といった質問も待ち受けていますが、内容は基本的に一緒で、作り方も本質的には変わりありません。徹底した準備をしていきたいところです。
6項目埋めるだけ! 自己PRの作り方!
さぁ、自己PRの作り方を学んでいきましょう。自己PRとは、自身の頑張ってきた経験などから、自身がどのように考え行動し結果を出してきたか、またそこで発揮した能力が、将来医師としてどのように発揮できるかをアピールするものです。
この質問にキチンと答えられないと…
私にはいいところなんてないんです。高校時代はクラスの隅っこでボーッとしてました。
(まじかよ…やべぇのきたな…)
なーんて、不思議な空気になりかねないのでご注意を!
「私、いいとこなんてない…」と思っている、そこのあなたも大丈夫。順を追って整理していけば、簡単に自己PRが作れますので、最後までお付き合いくださいね。
STEP.1 自身の頑張ったことを洗い出す
まずは、自身の頑張ったこと・成果を出した経験を洗い出します。これまでの人生を振り返ってみて、一番自慢ができそう、面接受けが良さそう、と思える題材を取り上げましょう。
ただし、この 自身の頑張ったこと・成果を出した経験 には、いくつかの条件があります。それは以下の4条件です。
条件①:直近で頑張ったこと
第1条件は、直近で頑張ったことです。現在、高校生あるいは浪人生の人は、高校生活で頑張ったことを思い浮かべてください。また、大学生活のある再受験生は、大学生活で頑張ったことを思い浮かべてください。そして、社会人経験のある再受験生は、社会人経験で頑張ったことを思い浮かべてください。
なぜ、直近でないとダメなのか。それは、「直近の経験でないと、”いま” 目の前に座っている受験生のことが分かりにくいから」です。例えば…
はい、私は1歳の頃、ハイハイを頑張りました!
(いや知らんがな…)
といった感じで、「 ”いま” 目の前に座っている受験生が、何をすることができるのか」見えてこないんですね。だからこそ直近の出来事にする必要があるんです。
また、たまに受験生からこんな質問を受けることがあります。
私、高校3年生なんですけど、中学時代の経験じゃダメですか?高校時代、勉強ばかりで何もしてなくて…
うーん… 気持ちはわかりますが、それでも直近の経験(高校3年生であれば高校生活)を取り上げるのが良いかと思われます。なぜなら、中学時代に頑張ったことを話してしまうと、次に「高校生活ではどうだったの?何してた?」と、結局深堀りされてしまうためです。
また、「高校時代に頑張った出来事を教えてください」という質問にも答えられなくなってしまいますよね。だからこそ、苦しくても、直近の出来事をピックアップするのが得策になります。
条件②:集団で頑張った、あるいは周囲を巻き込んだ経験であること
第2条件は、集団で頑張った、あるいは周囲を巻き込んだ経験であることです。医師という職業は、ほとんどの場合チーム医療を意識させられます。他の医療従事者と共に協力し、ときにリーダーシップを発揮してチームをけん引する必要に迫られるのです。
だからこそ、個人の力のみで頑張った経験を取り上げてしまうと…
高校時代は、囲碁サッカー部の全国大会出場に向け、1人で努力し続けました!
えーっと… じゃあ、他の皆と協力して何かをやり遂げた経験はあるかな?(この子、協調性あるかな…)
んー… じゃあ、リーダーとしてグループをけん引した経験はあるかな?
…といった具合に、面接官から深堀りされてしまうわけです。したがって、もとより「誰かとかかわり何かを成し遂げた経験」をピックアップするのが得策なわけです。
条件③:一定期間続けて頑張った、一定の成果をあげたこと
第3条件は、一定期間続けて頑張った、一定の成果をあげたことです。もう一度振り返っておくと、いまやっているコンピテンシーとは、困難にぶつかったときどのように乗り越えていけるかをはかるものでした。
したがって…
高1の期末テスト、数学大問4の(1)の公式を用いた際、ひらめきが…
では、頑張ったことが一瞬過ぎて、コンピテンシーが見えにくくなっていますし…
全国大会出場を目指しましたが、ダメでした。以上です。
では、困難を乗り越えたとはいえないわけです。一定期間(少なくとも1月以上、長ければ数年)努力をし、成果をおさめたものをピックアップするようにしましょう。ですので、「高校生活で一番時間を割いて頑張ったことは何かなぁ…」と考えてみるのも良いでしょう。
その際、注意したいのは、成し遂げた結果の高さは関係ないということです。先ほど、受験生くんが「全国大会出場を目指しましたがダメでした」と述べていましたが、これは言い方を工夫する必要が出てくるのです。つまり、「全国大会出場を目標にし、関東大会ベスト4入りした」のであれば…
〇〇を努力した結果、私たちは関東大会ベスト4に入るまで成長しました!
ってな感じで、困難を乗り越えることが出来た経験へと昇華し、面接官がポジティブにとらえてくれるような言い換えをするのが良いというわけです。
条件④:受験勉強以外であること
第4条件は、受験勉強以外であることです。皆さんが受験する医学部は、1次試験で学科(英・数・理)、2次試験で面接・小論文という形態がオーソドックスです。
そう、つまり、皆さんが面接を受ける際に集まっている人々は、1次試験を突破し、受験勉強を頑張ってきた人々なわけです。そのため…
私が頑張ったことは、受験勉強です!
えーっと…ほかの受験生も勉強は頑張ってたんだけど、それ以外にはないの?
といった具合に、受験勉強をアピールしたのでは悪印象を抱かれかねません。くれぐれも、受験勉強以外からピックアップするように努めましょう。※ただし、学校のグループ学習、研究、フィールドワークなどはOKです。
これら4条件を満たす例としては…
・文化祭でクラス一丸となってやった模擬店、合唱、体育祭
・部活動で切磋琢磨して、〇〇大会を勝ち残った
・留学で困難はあったものの、多くの人と交流してきた
・グループ研究で、皆の意見を取りまとめるリーダーとなった
などが挙げられるよ! もちろんこれ以外でも大丈夫!
STEP.2 5項目でその出来事を振り返る
さて、STEP.1で自身の「頑張ってきたこと」は洗い出せましたでしょうか?今度は、その「頑張ってきたこと」をまとめていくプロセスです。このSTEP.2では、以下の5項目をまとめていきます。
①想い:なぜ頑張った?目標は?
まず、「想い」です。自身が頑張ろうとした経験は、なぜ頑張ろうと思ったんでしょう?
例えば、文化祭実行委員を務めたときであれば、(別にやらなくてもいいのに)なぜ(そのめんどくさい)その係を引き受けたのでしょう?あるいは、グループ研究でリーダーを務めたのであれば、(別にやらなくてもいいのに) なぜ (そのめんどくさい)その係を引き受けたのでしょう?
また、この「想い」は、「目標」とすりかえてもかまいません。
例えば、弓道部で全国大会を目指していたとか、留学で英会話が通用するようになるとか、ですね。
②苦難:カベとなったことは?
次に、「苦難」です。ここから、特に重要な項目になってきます。
コンピテンシーとは、困難にぶつかってそれを乗り越える力のことを指すんでしたよね。そのため、乗り越えるべき ”カベ(苦難)” を明確化するのはヒジョーに大切になってきます。
さきほど立てた目標を達成するには、どんな困難が待ち受けていましたか?部員間でやる気に差があったこと?とにかく時間が迫っていた?前例のないことをやろうとして、何をすべきかが不透明であった?
このように、想い(目標)を達成するため、特に何が大変であったか、どのような苦難にぶつかってきたのかを明示しましょう。
③取組:カベはどう乗り越えた?
次に、最重要項目の「取組」です。ここが大事です。
くどいようですが、コンピテンシーとは、 困難にぶつかってそれを乗り越える力のことを指すんでしたよね?そう、困難にぶつかってそれを乗り越える ”行動特性” … ”行動” の ”特性” を表すものであるため、自身が困難にぶつかったとき、どのように行動し乗り越えたのかを具体的にすることがヒジョーにヒジョーに!大切なわけです。
例えば、「部員間にやる気の差があったので、ミーティングを提案し意思を統一した」とか、「とにかく時間がなかったので、メンバー全員で残業し協力して乗り越えた」とか、「前例のないことをしようとしたため、識者とコンタクトをとりとにかく情報を集め目標を明確化した」といった具合ですね。
ちなみに、この「取組」の内容により、後述する「強み」が見えてきます。ですので、自身がアピールしようと考えている「強み」とリンクするように記述の意識を持っていきましょう。
④結果:どうなった?
次に、「結果」どうなったのか、です。これはシンプルに、結果どうであったかを素直に書いてくれれば問題ありません。
ただし、先述のとおりですが、「苦難」を乗り越え「想い(目標)」を達成している様子を見せなければ意味がありません。コンピテンシーとは、カベを乗り越える取り組みなのですから、成果を出していないとNGです。
全国大会出場を目指しましたが、ダメでした。以上です。
…とならないようにしましょうね。
⑤強み:ここからみえる強みは?
最後に、「強み」です。つまり、この経験から見えてくる、あなた自身の強みを記述してもらいます。
例えば、 「部員間にやる気の差があったので、ミーティングを提案し意思を統一した」のであれば、その強みは「リーダーシップ」とか「主体性」になるでしょう。
「とにかく時間がなかったので、メンバー全員で残業し協力して乗り越えた」のであれば、その強みは「協調性」になるでしょう。
「前例のないことをしようとしたため、識者とコンタクトをとりとにかく情報を集め目標を明確化した」 のであれば、その強みは「行動力」になるでしょう。
やっぱり、どう困難を乗り越えたかを表す「取組」と、自身の「強み」はリンクしてるんだね!つながっているかどうか、第三者目線で確認してみよう!
STEP.3 自身の強みはどう活かせるか考える
⑥活用:医師としてどう活かす?
以上の経験を5項目でまとめただけでは、「へへん、おれすごいでしょ?」と自慢話で終わってしまうので、最後に「活用」について考える必要があります。
活用とは、STEP.2であがった「強み」は将来医師となる上でどのように活かせるか、というものです。
例えば、先ほど浮上した 「リーダーシップ」とかといった強みであれば、将来はチーム医療の中心となって指揮をとることができますし、「主体性」 が強みであれば、患者さんのために自ら考え、前例のない医療を提供することできますよね。
また、「行動力」が強みなのであれば、患者第一の考えのもと積極的に行動し、最適な医療を提供するため奔走することができると思われます。
そして、活用を考える際、軸となる考えは3つあります。
A.自身の強みは「自分に対し」どう活かせるか?
まずは「自分に対し」ての活かし方です。自分の持つ強みはどうやって ”医師となる自分” に活かせるのでしょうか。
例えば、先述の強み「忍耐力」であれば、医学部の膨大な勉強量に耐えることができたり、研修期間といった苦しい期間なども乗り越える自信となりますよね。
B.自身の強みは「患者に対し」どう活かせるか?
次に「患者に対し」ての活かし方です。自分の強みはどうやって ”まだ見ぬ患者さん” に活かせるのでしょうか。
例えば、「傾聴力」が強みであれば、患者さんの話を親身になって聴くことができますし、その傾聴から患者さんの抱える本当の痛みに気づくことだってできますよね。
C.自身の強みは「チーム医療に対し」どう活かせるか?
最後に「チーム医療に対し」ての活かし方です。自分の強みはどうやって ”医療チーム” に活かせるのでしょうか。
例えば、先述の強み 「リーダーシップ」であれば、 チーム医療の中心となって指揮をとることができますよね。
自分の強みはどれで活かせるか考えてみよう! 軸3つすべての活かし方が思いつかなくても大丈夫!3つの軸のうち、1つか2つでも充分だよ!
STEP.4 再現性があるか確認する
STEP.1~STEP.3までで、ひとまず「自己PR」をする準備はできています。ですので、「とりあえず自己PRが完成すればそれでいい!」という方は、STEP.4を飛ばしていただいてもかまいません。推薦対策、万全な準備をしたい方向けにお話ししていきますね。
コンピテンシーには再現性があると別記事でお伝えしたことを覚えていますでしょうか?「覚えてねーよ」「はじめて聞いたぞオラぁ」という方は、以下の記事も合わせて読んでいただけると幸いです。
簡単に説明すれば、どんな苦難に何回ぶつかっても、私は同様の力を活かして乗り越えることができますと一貫させることです。自身の「強み」を考え出したいま、その「強み」に再現性があるかどうかをチェックしていきましょう。
目を閉じて想像してみてください… あ、でも、目閉じたらブログ読めないか。じゃあ、目を開けたまま想像してみてください…
他にがんばってきた過去の出来事(自己PRで取り上げたもの以外)では、自身の持つ同様の「強み」を発揮しているでしょうか。
例えば、書道部の部長を経験し「リーダーシップ」を発揮してきた人は、他のがんばったこと、つまり中学時代の生徒会活動や、留学経験、校内の球技大会などでも同様に 「リーダーシップ」 を発揮してきたでしょうか。
過去の頑張ってきたことにおいても、一貫して同様の強みを発揮してこそ、ブレのないコンピテンシーを築くことができるのです。逆に言えば、この点がブレているようでは、面接でブレのない論理を組み立てることは難しくなってしまいます。
以下、4STEPを考慮に入れたうえでの、おかまる自己PR例です。以下のPRは、倍率100倍の就職面接を潜り抜けた際に話していた内容になります。医学部を目指す皆さんはここまで仕上げなくても大丈夫なので、カタチ(6項目)だけ真似してみましょう!
自己PRの例文:おかまるの場合
私の強みは「忍耐力」と「向上心」です。私は大学時代、初心者ながら軽音楽サークルに所属し、ドラムに挑戦していました。私のバンドは、30バンド中4バンドのみが選出される文化祭のステージに立つという目標を抱いており、それに向けて一丸となって練習に励んでいました。しかし、私たちのバンドには2つの課題があり、 1つ目は「私自身がドラムの初心者で、徹底的に練習をしなければならなかった」こと、2つ目は「バンドメンバーとのスケジュールが合わせにくく、バンド全体での練習時間が確保しづらかった」ことでした。
これら課題を乗り越えるべく、私は2つの取り組みを行いました。1つ目は、私自身のドラムスキルを向上すべく、毎日4:30起きで朝練をする習慣を2年半継続したことです。【毎朝、メトロノームだけが響く部屋の中、基礎練習を徹底して行うことで、プロのドラマーからも「サークル内で最も基礎ができている」とお褒めの言葉をいただきました。】2つ目は、バンドメンバーとのスケジュールを合わせるための、時間管理アプリを立ち上げたことです。【私自身コンピュータスキルが乏しかったのですが、2か月のあいだ、寝る間も惜しんでプログラミングの学習を継続し、アプリを実装することができました。】
これらの取組の結果、バンド全体で練習する時間が以前の3倍に増え、30バンド中4バンドが選出される文化祭のステージに立つことができました。この経験から、私は誰にも負けない「忍耐力」と「向上心」があると自負しています。
(話すのにかかる時間:60秒【 】内ふくむと80秒)
では、今日はここまで! お疲れさまでした!