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今回は「落ちる医学部受験生の特徴10選 ~面接・小論文編~」を話していきたいと思います。
医系専門予備校で面接・小論文・集団討論を指導し続け、現在も医学部受験の面接・小論文スクールを運営している僕だからこそ伝えられることをまとめていきたいと思います。
まず皆さんに質問なのですが、
64%
この数字って何のことだと思います? 実はこれ、1次試験に合格しても、面接・小論文のある2次試験で正規合格できない人の割合です。「意外と多いな」と感じたのではないでしょうか。
『医学部受験の総合的研究』を著した清水直史先生も、「面接や小論文が合否の鍵となるのは“常識”なのだ。」と述べています。そう、医学部受験においては、面接・小論文が合否を分ける最後の決め手となるので、やはり入念な準備が必要になるんです。
受験生・保護者の皆さんは、今回お伝えする内容を参考にして、来年の春桜の下で笑っていられるようにしてくださいね! では、落ちる受験生の特徴10選、いってみましょう!
特徴①:面接・小論文の学習に重点を置きすぎる
1つ目は、面接・小論文の学習に重点を置きすぎるです。
特に推薦入試の人に見られる傾向ですが、学習に時間をかけ、「本番は面接・小論文で稼ごう!」と考えるのはNGです。
え、でも先生。さっき「面接・小論文の勉強はしてください」みたいなこと言ってませんでしたか…?
たしかに勉強はしなければならないのですが、面接・小論文の学習に時間をかけすぎてはいけませんよ!
令和4年度、東京慈恵会医科大学・久留米大学の例を引き合いに出してみましょう。
慈恵では、受験者数が1,708名、1次試験の合格者数が496名となっており、その合格率は29.0%となっています。そして、面接・小論文が課せられる2次試験の受験者数は477名で、正規合格者は172名、合格率は36.1%でした。補欠の繰り上げ数も加味すれば、最終合格者数は251名で、2次試験から最終合格までの実質的な率は52.6%であることがうかがえます。
また久留米大学では、受験者数が1,398名、1次試験の合格者数が353名となっており、その合格率は25.3%となっています。そして、2次試験の受験者数は265名で、正規合格者は115名、合格率は43.4%でした。補欠の繰り上げ数も加味すれば、最終合格者数は149名で、2次試験から最終合格までの実質的な率は56.2%であることがうかがえます。
このように、合格率がより低いのは1次試験であって、多くの受験生がふるいにかけられてしまうのは、英語・数学・理科といった学科であることが分かると思います。
また、最終的な合格発表は1次試験の成績を加味して判定するところがほとんどであり、最終合格のためには1次試験で圧倒的な学力を見せつけることが大切なのです。
さらに、面接・小論文は“人が人を評価する科目”であるため、採点官によって良し悪しの判断が変わってきてしまいます。だからこそ、「2次試験で安定して高得点を取る」ということはできず、自分の力ではどうにもできない部分があるんですよね。
僕は、医系専門予備校時代もスクール運営している今でも、一貫して「英語・数学・理科といった学科を頑張りなさい」とお伝えしています。学科の勉強は自分で努力し点を稼ぐことができるのに対し、面接・小論文は大いなる力が働いたり、そのときの調子によって点数が伸びないこともあるからです。
しかし、面接・小論文の準備をまったくしないまま、受験本番に挑むのはあまりにも愚策です。2次試験の倍率は3倍ほど、推薦入試であれば倍率10倍を超えることもザラにあるため、面接・小論文の初学者がノリと勢いで合格することは難しいでしょう。
対策しなければダメだけど、時間をかけすぎてはいけない
これが面接・小論文学習において大切な心構えです。
そもそも、医学部に入れば1・2週間に1回ペースでテストが待っています。
ぜひとも、いまから最効率・短期間の学習を心掛けましょう!
特徴②:志望校がなかなか定まらない
2つ目は、志望校がなかなか定まらないです。
少し質問なのですが、皆さんはすでに受験校を決めていますか?
おそらく、ほとんどの方が
医学部受験するのは決まってるけど、受験校は決まってないです…
という状態ではないでしょうか。
そもそも、正しい勉強法は逆算思考です。
①受験校を確定する
②その受験校で必要な対策を洗い出す
③残り日数で日割り計算をする
④日々、ノルマを淡々とこなしていく
もちろん、人によって合う・合わないがあるかと思いますが、この逆算思考での勉強スケジュールが最も合格可能性を上げてくれる学び方ではないでしょうか。
例えば、
①A大学に合格したい と考え、
②合格するには951題ある青チャートを制覇する必要 があったとしましょう。③今日が4/1とすれば、残り日数は306日 になりますが、過去問対策や勉強できなかった日などを考慮し、270日で青チャートを仕上げていきます。そうなると、最初の160日で1週目、次の80日で2週目、最後の30日で3週目といった具合に大まかな勉強計画が決まります。
それらを日割りで計算すれば、
④最初の160日間は毎日6題ずつ、次の80日間で12題ずつ、最後の30日間で32題ずつといった具合に、日々のノルマが見えてくるでしょう。
青チャートを1日に32題なんて無理じゃないですか…?
って思うかもしれませんが、2週目・3週目は“できなかった問題”や“不安のある問題”だけ取り組めば良いですし、既視感のある問題について2週目・3週目は理解が速く進むはずです。
無理のないように勉強計画を立てましょう。
さて、こういった具合に勉強計画を立てるのが受験勉強の鉄則なわけですが、逆算思考での勉強スケジュールは、受験校が決まっていない状態で立てることができませんよね。
小論文を例に持ち出してみましょう。
例えば、奇抜な出題をすることで有名な順天堂大学は、「写真・絵画から感じられることは何か」といった問題を出してきます。これは着眼点や順天堂大学独自の書き方があって、やはり個別の対策が必要になりますよね。
また、近年受験生に人気な国際医療福祉大学は、「少子化の問題点と対策案を述べなさい」といった、具体的な時事問題・現代問題を問うてきます。この場合は、日ごろからNEWS・新聞を見ていることが大切で、どの大学よりも知識を収集する対策が求められます。
このように、面接・小論文も各大学で傾向と対策が異なってくるのですが、受験する大学がなかなか定まらないと、これらの対策が後ろ倒しになり、終いには無対策のまま本番を迎えてしまうことになりかねません。
もちろん、偏差値の上がり具合をみて受験校を選定することも1つの考えです。しかし、医学部受験は情報戦ですので、効率の良い学習を進めるためにも、志望校を早め早めで選定しておくのが良いでしょう。
特徴③:勉強時間が不足し、問題・過去問演習ができていない
3つ目は、勉強時間が不足し、問題・過去問演習ができていないです。
教科書を読むのが大切でしょ?
塾の授業を聞いていれば合格できるでしょ?
と考えている方、それでは1月の試験直前期に泣きを見てしまいます。
皆さんは、パレートの法則をご存じでしょうか?
例えば、とあるお店において、売上の8割は2割のお客さん(リピーター)によって成り立っていたり、売上の8割は2割の看板商品によって成り立っていたりします。このように、重要なことは偏るというのをパレートの法則は示しています。
この法則、実は、大学受験・資格試験の勉強にも応用できます。試験で出題される8割の問題は、教科書のたった2割にすぎず、重要なことが偏っている状態なんです。そして、その2割の重要ポイントを徹底的に勉強できるのが『過去問』『問題集』になります。
『過去問』や『問題集』は、先人たちが「ここは重要なんだよなー!」と思いながら、繰り返し×2 問うてきたエッセンスですので、過去問を解かない、問題集を潰さないっていうのは言語道断です。
私自身も、受験時代はお金がなく、アルバイトで入学費用を稼ぎながら独学で勉強をしていました。当時、なかなか伸びなかった私の偏差値が、38→72へと急上昇したのもこの勉強法のおかげだと思っていますし、千葉大学や筑波大学、日本医科大学はじめ名だたる医学部に合格している生徒たちは、そろって問題集・過去問を徹底的に潰しています。
授業やテキストといったインプット中心の学習で理解した気にならず、問題集やアウトプット中心で学習を進めてみてください。
特徴④:整理整頓ができない
4つ目は、整理整頓ができないです。整理整頓できない受験生は必ず落ちる、というわけではありませんが、その傾向は強いです。
皆さんの中には、学校や予備校に通っている人が多いでしょうが、配られるプリントって異様に多くないですか?
先生たちも良かれと思ってプリントを配りますし、その質は高いものが多いでしょう。ただ、受け手である僕らが日頃から整理整頓しておかないと、後から見返すことができなくなったり、どれだけ学習すれば良いか把握できなくなったりして、ただの紙の山になってしまいます。
僕が面接・小論文を指導している際も、大学ごとの志望理由書作成方法や、過去問の自作模範解答などをお配りしていましたが、授業についていけない生徒たちは漏れなく「プリントを無くしてしまった」「どこにあるか分からない」と言っていました。
ぜひとも、バインダーやノートに一元管理して情報を整理してください。
ちなみに、僕が資格試験を受験していた際は、テキストを裁断化し、バインダーで情報を一元管理していました。皆さんも可能であれば、テキストを裁断化し、学校や予備校などでもらったプリントと一緒に項目別にまとめ、いつでも参照できるようにすると良いでしょう。
特徴⑤:あれこれ参考書に手を出す
5つ目は、あれこれ参考書に手を出すです。これはよく言われていることで、皆さんも肝に銘じているかと思います。
先ほどパレートの法則、つまり、受験で問われる重要事項は偏ってくるということを説明しました。過去問や問題集は、繰り返し×2問われ続けてきたエッセンスであるため、徹底的に演習し潰しておく必要があります。
問題集を1週目で完璧に解けるようになる人間なんて、まぁ、いないんじゃないでしょうか。ほとんどの人が1週目で解けなくとも、2週目、2週目で解けなくとも、3週目で段々と理解が進み、解けるようになってくるでしょう。
その際に大切になってくるのが、既視感です。つまり、「1度はこの問題見たことあるな」という感覚が欲しいんです。
いくつもの問題集に手を出してしまえば、異なる問題は初見でなかなか解けないでしょうし、ほぼ同じ問題であっても数字や問われ方が微妙に異なると、理解が定着していない初期段階では太刀打ちできないことがほとんどです。
面接の学習でも、
・医師志望理由
・大学志望理由
・希望の診療科
・理想の医師像
・自己PR
・あなたの強みを医師としてどう活かすか
これらの質問が最重要事項なのですが、
これらの質問に対し万全な準備ができていない段階で、市販の分厚い1問1答集を購入し、「先生、こんな質問が来たらどうやって答えるんですか?」と、細かい質問ばかりに目を向けている受験生が多くいます。これは絶対にやめましょう。
また、小論文の学習でも、過去問で問われたことのない時事問題やクリエイティブな問題が出題されることはありますが、やはり重要な論点は繰り返し繰り返し問われ続けています。
出された課題に対し、良い評価を得られていない、キチンと理解が出来ていないにもかかわらず、「別の問題へ別の問題へ」と小論文学習を進めようとしている不合格受験生は多いです。いま目の前にある課題をキチンと理解し、確実にモノにしてから学習を進めるようにしましょう。
特徴⑥:素直さ・愚直さがない、話を聴かない
6つ目は、素直さ・愚直さがない、話を聴かないです。これは予備校講師であれば誰もが頷いてくれることでしょうし、僕自身が2浪もしてしまった失敗談でもあります。
設問で問われていることをキチンと確認し、問われていることをそのまま答えるのが受験の鉄則です。Aを聞かれればまずAを答える。Bを聞かれればまずBを答える。当たりまえですよね。試験本番で問われていることを無視して、自分勝手な解釈をし、求められている解答ができないのはNGです。ありのままを受け止める姿勢を大切にしましょう。
国際医療福祉大学の小論文を見てみましょうか。
日本では出生数が90万人を下回り、国家の活力維持に危機感が迫っています。少子化についての問題点を整理した上で、あなたの考える対策案を600字以内で述べなさい
国際医療福祉大学 2018
この問題では、“何を” “何点”問われているでしょうか。
そう、少子化についての問題点と対策案、2点ですよね。2点のことが問われているにも関わらず、問題点しか述べない、対策案しか述べないようでは、設問へキチンと答えているとは言えません。
また、出題者の意図を丁寧に汲み取る素直さも肝要です。先ほどの問題では、「日本では出生数が90万人を下回り、国家の活力維持に危機感が迫っています。」と書いてありますね。つまり、国際医療福祉大学としては、少子化を食い止めたい、どうにかしたいと考えているのです。
にもかかわらず、「何もしないことが一番の対策だ。」といった具合に、ネガティブな解答をしてしまうのはいけません。たしかに、少子化が進めば温室効果ガスの排出が減る、1教室あたりの生徒数が減り教育が密になる、といったメリットは探せばあるかもしれませんが、少なくとも本問では“空気が読めていない”だけです。
加えて、学習の姿勢においても素直さ・愚直さは重要になります。特に、塾や予備校の先生からのアドバイスをすべて懐疑的に受け止め、何から何まで反骨精神を持つのはあまりよろしくないです。
すべて懐疑的に受け止めていると、“いやいや~” “でもこれは~”といった具合に思考が堂々巡りになってしまい、学習効率が落ちてしまいます。また、否定ばかりであると、本来もらえるはずのアドバイス・お得な情報が受け取れなくなってしまうかもしれませんよね。
私自身も、先生方や友人たちから「おかまるは英語が苦手なんだから重点的に勉強しなさい」と基本的なアドバイスをもらっていたにもかかわらず、それを無視し、「理科や社会で稼げばいいじゃん!」と安易に考え、理科や社会ばかり勉強していた時期がありました。結果はもちろん不合格でした。
面接時にも、素直でない受験生は面接官の心象を悪くしてしまいます。どれだけ取り繕っていても、表情や所作、ちょっとした言動から分かってしまいますので、日ごろから意識して自分を正すようにしておきましょう。
特徴⑦:バカ正直である、情報を鵜呑みにしてしまう
なるほどね、じゃあとにかく愚直に、言われるがまま鵜呑みすればいいんですね!
となるかと言えば、そうでもありません。バランスが大切です。
落ちる受験生の特徴7つ目は、バカ正直である、情報を鵜呑みにしてしまうです。
受験生を取り巻く環境は、何も味方ばかりではありません。中には、参考にならない話どころかマイナスに働く話をしてくる人だっています。
僕の生徒でも、学校の先生に「お前には医学部なんて無理だ」と言われ、友人には「新潟県地域枠は新潟県民しか受からないから止めておけ」と言われ、辛い思いをした人がいました。でも実際には、その生徒は医学部新潟県地域枠に合格でき、楽しいスクールライフを過ごしています。
面接時でも、「なんで福岡大学じゃなくて久留米大学を志望しているんですか?」との質問に対し、「受験日程と過去問の相性が良かったからです!」と答えてしまったり、「北里大学とウチの大学、両方合格もらったらどっちに進学するの?」との質問に対し、「北里大学に進学します!」と答えてしまったりと、バカ正直に回答するのはあまり得策ではありません。
正直であることは悪いことではないですが、なんでもかんでもバカ正直に答えていては社交性がイマイチです。
あと1つ、ズルいアドバイスですが、大学へ提出する調査書は受験校分だけでなく、余分に1枚買っておきましょう。調査書といって、皆さんの高校3年間で修めた学習成績や、課外活動、出欠日数などが書かれている書類を、受験する大学へと提出します。
開封厳禁で個人情報があれこれ書いてあるため、学校の先生からは「受験校分だけ購入してくだい!」と言われますが、個人的には、受験校とは別の大学を1校受けると申告して、余分に1枚購入しておくことをおすすめします。
そうすれば、面接時にどういった質問が想定されるのか、どういった点に突っ込んでくるのかがある程度予測できるようになってきますよ。
特徴⑧:倫理、道徳、常識に問題がある
8つ目は、倫理、道徳、常識に問題があるです。これは落ちる受験生の特徴10選の中で最も該当する人が少ないでしょうが、該当する人は最も改善が難しいです。これは十把一絡げでお伝えすることができませんので、僕が予備校で出会ってきた生徒の中で少し問題があった例を挙げていきます。
まずは、面接時の態度が劇的に悪かった例です。模擬面接をした際に、
・足をくんでいる
・自分が答えられない質問が来ると不機嫌になりそっぽを向く
・面接官の「埼玉県の人口対医師数は全国最下位だもんね」との発言に対し、「いえいえ、最新のデータでは46位になっていました。」といった具合で、細かいことにいちいち反論をしてしまう
などがありました。面接官も人間ですので、
なんだこの子… うっとうしいな…
と感じたら大減点をしてくる可能性は高いです。実際に面接官に反論をしていた受験生は、埼玉医科大学はじめ、多くの私立大学で2次試験落ちを連発していました。
次は、医療用語、時事問題が分からない、常識がなかった例です。知識系の質問は、面接において最重要ではありません。むしろ、分からない質問が来たときに「申し訳ありませんが、わかりません…」と答えることができる勉強姿勢の方が大切です。
しかし、限度があります。「認知症って何かな?」「生活習慣病って何かな?」といった基本的な医療系質問をしているにもかかわらず、「ごめんなさい、わかりません…」と答えている生徒がいましたが、これはさすがに問題があると思います。
ほかにも、
・小論文で過激な解答をしている
・面接官を“騙す”ことばかり考えている
・正当な理由がないのに、遅刻、欠席数が異様に多い
といった生徒も、落ちる傾向にあります。
面接・小論文は受験生の社交性・人間性も点検している科目ですから、くれぐれも世間一般の常識から逸脱しないようにしましょう。
特徴⑨:出願後に面接対策をする
9つ目は、出願後に面接対策をするです。これは優秀な受験生でもやりがちなミスです。面接講師としては、この特徴が最も気を付けるべきことだと感じています。本当に気を付けてください。
医学部を受験したことがない人向けにお話ししておきますと、医学部は他学部と違って、出願時に提出する書類がけっこうあります。
志望動機やPRポイントに関する提出物がほとんどですが、場合によっては、趣味や特技、好きな本、自身の短所、他大学との併願状況など、突っ込んだ質問項目を書かせてくる大学もあります。
本番、面接官はその提出された書類を横において、逐一確認しながら目の前にいる受験生とコミュニケーションをとっています。
ここで皆さんに質問なのですが、皆さんが面接官だったとして、提出された書類と口頭で伝えてくる内容に齟齬があったら、その受験生に対しどう感じますか?
心象悪いですよね! 「書いてることと話してること違うんだけど…」って感じしませんか?
そう、出願時に提出する書類と、面接時に口頭で話す内容は一致させなければならないんです。これ、当たり前のようでできていない受験生があまりにも多いです。
出願時に「医師を目指したのはなんとなくです!」と書いてしまえば、本番もそのように答えるしかなくなってしまいますし、「PRポイントは出所の見えにくいフォームです!」と書いてしまえば、本番もそのとおりに答えるしかありません。嫌ですよね。
正しい順序は、
①早めに面接対策をする
②出願する
③出願したとおりに面接を受ける
です。くれぐれも出願後に面接対策を始めないようにしましょう。
特徴⑩:面接・小論文学習の開始が遅い
最後は、面接・小論文学習の開始が遅いです。
皆さんの中には、
なるほどね、じゃあとにかく愚直に、言われるがまま鵜呑みすればいいんですね面接・小論文なんて後回しでいいんじゃない?
どうせ採点・評価されてないし、問題ないでしょ?
と考えている人もいるかと思いますが、それでは対策が不十分です。
先ほどの令和4年度 東京慈恵会医科大学・久留米大学の例を持ち出しましょう。
2次試験の正規合格率は、慈恵で36.1%。久留米大学では43.4%であることがうかがえます。びくびくしながら補欠繰り上げを待つのは受験戦略上よろしくないのですが、補欠繰り上げも含めた2次試験の合格率は、それぞれ52.6%、56.2%となっています。
つまり、2次試験は3人中2人、良くて2人中1人が落ちる試験だと言えますよね。
「え、倍率2・3倍程度だったら楽勝じゃん!」
と思った方、ちょっとまってください! 2次試験を受けるのは、1次試験を合格するような賢い頭を持った受験生たちです。そのような受験生が数百と集まる中、面接・小論文で上位1/3に安定して入る自信はありますか?「医学部志望理由」や「自己PR」を問われ、隣の2人よりも私を合格させるべき、と自信を持って言える根拠はありますか?
面接・小論文で学ぶことは確かに少ないです。しかし、舐めてかかると本当に痛い目にあいます。
例えば、順天堂大学の面接試験2日前に「対策してほしい!」と来校した受験生がいました。
その受験生は、既に内容がエライことになっている志望理由書を提出してしまっていたのですが、志望理由書に書いてある内容と面接時に話す内容は一致していないといけないため、志望動機の変更ができない状態でした。
あげく、1次試験の小論文で書いた内容もエライことになっていたため、面接官へどう説明するかにも時間をとられ、結果、不合格となってしまいました。
予備校講師もプロではありますが、神様ではないです。小論文における日本語力の向上や文書構成の取り方、面接における志望動機・PRの精査には、ある程度の時間がかかります。
来年の春、桜の下で笑っていられるよう、面接・小論文学習は早いうちに取り掛かりましょう!
以上が面接・小論文講師から見た、落ちる医学部受験生の特徴10選でした。皆さんはこれらを参考にして、自身を律しながら勉強に励んでくださいね!
大学受験予備校ライトでも、大学受験に合格するコツや勉強方法に関する記事が掲載されています!