【結論】医学部受験講師が駿台予備校を推す理由
駿台予備校とは?
駿台予備校は、学校法人駿河台学園の運営する高校生・浪人生向けの大手予備校です。開校から100年以上の伝統があり、現役生が入校する高校生クラス(現役フロンティア校)と、浪人生が中心となる高卒クラスとで大まかに成り立っています。
「第一志望は、ゆずれない」とのキャッチコピー・広告は有名で、いまでは医学部生はもちろんのこと、高校生や浪人生等に絶大な人気を誇っております(キャッチコピーかっこいいよね)。
校舎は全国展開され、各地の主要な地域へアクセスできる方は概ね利用できる状態です。
駿台予備校 校舎一覧
札幌の校舎(1校)
札幌校
仙台の校舎(1校)
仙台校
埼玉県の校舎(1校)
大宮校
千葉県の校舎(3校)
千葉校、津田沼校、柏校
東京都の校舎(9校)
お茶の水校1号館、お茶の水校2号館、お茶の水校3号館、市谷校舎、池袋校、自由が丘、吉祥寺校、立川校、町田校
神奈川県の校舎(3校)
横浜校、あざみ野校、藤沢校
静岡県の校舎(1校)
浜松校
愛知県の校舎(2校)
名古屋校、丸の内校
京都府の校舎(3校)
京都校、京都南校、京都駅前校
奈良県の校舎(1校)
西大寺校
大阪府の校舎(7校)
大阪校、大阪南校、茨木校、千里中央校、豊中校、上本町校、天王寺校
兵庫県の校舎(2校)
神戸校、西宮北口校
広島の校舎(1校)
広島校
福岡の校舎(1校)
福岡校
駿台のグループ全体では、駿台予備校のほかにも教育センターや専門学校、その他資格試験運営を実施しているようです。駿台予備校のイメージですが、幅広く ”教育” に携わっているんですね。
駿台予備校を推す6つの理由
理由①:医学部合格の実績と体制が整っている
理由その①は、医学部合格の実績と体制が整っている点です。
2021年度の入試結果では、国公立医学部(医学科)への合格者数は1,656名、私立医学部(医学科)への合格者数は2,123名となっており、絶大な合格実績を誇っています。
私が医学部予備校で指導していても、駿台予備校と掛け持ちで入校してくる生徒がヒジョーに多く…
(あぁ、医学部受験 ≒ 駿台予備校っていうイメージ強いんだなぁ…)
としみじみ感じています。
中には医学部専門校舎である市谷校舎もあり、駿台予備校から医学部合格への熱意を感じますね。もちろん、他の校舎であっても医学部合格に充分な素養を身につけることは可能です(アクセスに問題がなければ市谷校舎を選んでもいいかな、ってくらい)。
また、駿台予備校(駿台出版)では教材もかなり充実しています。以下に思い浮かぶ名著を挙げると…
まず、霜康司先生の書かれた『現代文読解力の開発講座』は非常に有名ですよね。
「読解力を向上させたい!」「要約って一体どうすればいいの? フィーリングで解きたくない!」と考えている人に、文章の読み方を教えてれる超おすすめの一冊です。小論文講師である私も、医学部受験予備校でこの本の内容を活用させていただいています。
次に、重要問題のエッセンスがまとまっている『CanPass』シリーズ。特に数学は有名みたいで、難関国公立大学、や記述式の私立医学部を目指している受験生にとってバイブルと化していますね。
さらに、英単語の王道『システム英単語』も有名です。受験に必要な英単語を、入試で最も出題されるミニマルフレーズで選出してくれるため、実用的で覚えやすいよう仕上がっています。
東大理三卒で有名な河野玄人さんもこの英単語集を推してますね。私も英語最難関の慶應SFC卒ですが、シス単をボロボロになるまで活用し本番は乗り切ることができました。
他にも、皆さんおなじみ理系標準問題集や青本(過去問)シリーズなどがありますが、駿台ではこれら実績ある教材を作成するだけの指導力が集積されています。予備校でもこれらの教材や、オリジナルのテキストを活用した講義が展開されているため、確固たる指導体制が整っているといえるでしょう。
最後に、個別の相談体制があることにも触れておきます。
駿台では担任制を導入しており、進路の相談や受験校、勉強計画等についてきめ細かに対応してくれます。医学部医学科への合格実績が高いため、他予備校よりも「本番で何が出題されたのか」といった、青本などには載っていない情報が豊富に蓄積されています。
担任の先生は、多くのモデルケースを参照した上でアドバイスをしてくれるため、戦略的に受験校を選定したり勉強方法を確立させてくれるのです。
医学部受験は情報戦な側面が強いです。迷いがなければ、合格実績があり情報の集積している予備校へ行くのがセオリーなんですね。
理由②:理系科目の講師陣に定評がある
理由その②は、理系科目の講師陣に定評がある点です。
駿台には現代文の霜康司先生や、英語の竹岡広信先生・戸澤全崇先生、世界史の松山仁史先生など、文系の有名な講師陣も集まっていますが、特に理系科目の講師陣には定評があります。
雲幸一郎先生(数学)
数学で有名なのは雲幸一郎先生ですね。やや毒舌づきながらも、隠れた優しさを垣間見せるステキな先生です。基礎的な部分を丁寧に解説し、生徒の思考力を大切にする指導方針をとっています。
特に記述式の演習解説に定評があり、採点官からの目線で「こういった記述は必要・不要」であることを示してくれるため、記述式の学習であっても理解につまづかないよう工夫がされています。
黒澤孝朋先生(化学)
黒澤孝朋先生は有名な化学講師の1人です。暗記に頼らない、原理・原則に立ち返った理解を促す講義を展開しています。とはいえ、化学では暗記も欠かせません。そんなときには、「ここは覚えましょう」といった具合に、”暗記すべき箇所” と ”理解に努めるべき箇所” を明確に示してくれるため、効率の良い学習を進めることができます。
優しさを見せていますが、決して生徒を甘やかす方針ではなく、受験本番で活用できるよう時間配分を意識させているのも◎。
以上の先生を筆頭に、駿台予備校では理系科目に定評のある講師が多く在籍しています。医学部受験の要となる数学・理科2科目で差をつけられないためにも、駿台予備校はおすすめです。
理系(特に医学部)の合格実績が豊富である分、教えている先生も「理系の生徒に合わせた」授業を展開し慣れているんでしょうね。医学部合格のためには、数学・理科を徹底的に固めたいところ。
理由③:優秀な学生が集まり競争心が煽られる
理由その③は、優秀な学生が集まり競争心が煽られる点です。
↑上記の記事でも勉強スタイル、おすすめ予備校・教材についてまとめていますが、自ら学習する習慣と強い信念があれば、予備校は不要であると考えています。
監視されなくとも主体的に学習できるのであれば、スタディサプリで知識のインプットを行い、定評のある問題集でがつがつとアウトプットを実施していくのが最効率な学習方法と断言します。
▼スタディサプリの詳細記事はコチラ▼
しかし、
監視されたり、環境を変えないと集中できなくて…
という方は多いのではないでしょうか。予備校はそういった受験生に対し「おら、がんばれ!合格が遠のくぞぅ!」とお尻に火をつけてくれる役割も担っています。
私が医学部受験予備校で指導をしていても、やはりのんびりしてしまうというか… やる気をなくしてしまう生徒は一定数いるもの。 気合を入れる必要性から、「競争心が煽られる予備校で勉強した方がいいなぁ」としみじみ感じています。
このブログをご覧の方であれば…
駿台予備校といえば、優秀な学生が多い!
とのイメージはお持ちかと思います。それもそのはず、駿台予備校では中学生テストで高い目標を意識した学習が進められ、予備校の入塾時でもクラス分けと正確な勉強計画を把握するためのハイレベルな入塾テストが課せられています(入塾後もベネッセ模試や東大模試など、種々の試験を常に意識させられますね)。
100年の伝統からか「駿台予備校=優秀な学生が集まる環境」との認識が深く根づいており、全国各地から本気で受験勉強へ挑もうとする学生が集まってくるのです。
河合塾や代ゼミといった別予備校で実施される模試よりも、駿台予備校で実施された模試の方が偏差値が低く出てしまうことは有名な話です。これは、駿台予備校の方が優秀な母集団(生徒)が集まっていることを示唆しています。
倍率20倍ともいわれる医学部受験を制すためには、常に競争にさらされ、優秀な仲間としのぎを削って努力するだけでなく、高い目標意識をもった学生たちと交流し支えあえる環境づくりが大切なのです。
理由④:50分授業でメリハリのある学習ができる
理由その④は、50分授業でメリハリのある学習ができる点です。
人間が集中して勉強に取り組める時間をご存じでしょうか。子どもの場合は約30分、大人でも45分、最長であっても90分までが限界なのです(あ、らしいですよ笑)。だからこそ…
90分授業だと、後半の方が集中できない…
という人は多いのではないでしょうか(私もそうです笑)。この点、駿台予備校では50分授業制を導入しているため集中して授業に取り組むことができますし、授業の合間(休み時間)に講師へ質問をしに行くことも容易になります。
そのため、「んー、いまのところ説明が分からなかったなぁ…」とか「あれ、この場合はどうなるんだろう?」といった具合に、消化不良な点を残さないまま次の授業に臨むことができるのです。
医学部受験の勉強はON/OFFの切り替えが大切!集中するときに集中し、分からないところがあればそのままにせずすぐ質問しておくこと!
理由⑤:価格設定が良くコスパが高い
▼以下、市谷校舎(医学部専門)でのコース例▼
コース名 | 価格 |
---|---|
EX国公立大医系演習 | 890,000円(1,735,000円) |
EX国公立大医系 | 870,000円(1,715,000円) |
国公立大医系プレミアムサポート | 860,000円(1,705,000円) |
EX私立大医系演習 | 820,000円(1,665,000円) |
私立大医系プレミアムサポート | 790,000円(1,635,000円) |
※一括納入での授業料を掲載。本来は2回の分割納入も可能
※( )内は特別指導を週2回受講する手厚めなコースの金額
理由その⑤は、価格設定が良くコスパが高い点です。
駿台予備校の授業料は大まかに上記のとおりとなっています。年間で80万円~250万円ほどとなっており、特別講習や共通テスト対策といった講習を含めたとしても、医系専門予備校の授業料400万円~600万円と比べるとはるかに低廉であることがうかがえます。
低廉であるからといって決してクオリティが低いわけではなく、先述のような合格実績・講師陣等が揃っていることから、医学部に合格するだけの体制はキチンと整備されています。そのため、予備校比較で考えたとき、駿台予備校はコストパフォーマンスが高いと断言できるでしょう。
ちなみに、河合塾や代ゼミといった大手予備校と比較すると若干お高めな値段設定のようです。しかし、理系科目(医学部)の指導体制に強いこと、優秀な生徒が多いことから、やはり駿台がおすすめですね。
理由⑥:AI・ITを用いた効率の良い学習ができる
理由その⑥は、AI・IT機器を用いた効率の良い学習ができる点です。
駿台予備校では一人一台タブレットを貸与され、電子化されたテキスト等を持ち運ぶことができるため、重い紙媒体のテキストを一生懸命持って歩く機会が減ります。それだけでなく、AI教材である『atama+』、質問アプリ『manabo』、思考力・実践力を養う『S-LME』、受験情報が参照できる『i-sum』等が用意されており、最先端のICT環境が整っているのです。
atama+
『atama+』は、問題演習をしながら効率の良い弱点克服ができるAI教材です。AIが1人1人の生徒の強み・弱みを学習し、弱点を補強するような問題を自動で提示してくれます。(対象科目:英語・数学・化学・物理・生物)
manabo
manaboは、自分のスマホ・タブレットを通し、分からない問題等への質問対応をしてくれるアプリです。担当の講師(manaboPT)が在籍しているため、いつでも質問を投げかけることができます。
S-LME
S-LME(Sundai Learning Mastery Engine)は、思考力・実践力を養うための演習アプリです。やや難しめの問題、記述式の問題、計算過程を確認する問題等、種々の応用問題を通し本番で戦える基礎力・応用力を身に着けます。
i-sum
i-sum(isum)は、駿台専用のインターネットシステムのことを指します(会員専用サイトですね)。種々の受験情報を確認したり、必要な書籍等を購入できるようになっています。
「これらのICT教材を活用して成績が上がった」との話を良く聞きますね。教材ではありませんが、他にも自動採点集計システムせんたくんなどは有名ですね(河合塾で言うところのバンザイシステムです)。
医系専門予備校へは通わなくて良い?
結論から言えば、面接・小論文・集団討論対策のために医系専門予備校へ単科で通った方が良いです。以下にその理由を2点記して終わりにしたいと思います。
理由①:面接・小論文・集団討論対策が手薄である
駿台予備校はあくまで1次対策がメインです。論文対策や面接対策も実施してくれますが、医系専門予備校ほど本番を想定したリアルな対策は実施できていません。そのため、3~5回程度でかまわないので、それぞれ論文・面接対策の講座を単科で受けておくと安心できるでしょう。
理由②:より詳細な医学部受験情報が手に入る
単科であっても講座を受けに行けば、受験校に関する詳細な情報を収集することができます。「年間とおして医系専門予備校へ通うのは嫌だ」「金銭面で400~600万円を用意するのは厳しい…」と考えている方であっても、単科で通って賢く情報収集するのが望ましいでしょう。
注意点(これだけは気を付けて!)
駿台予備校を活用する上で注意すべきなのは、テキストや講師にひとクセがあり、生徒によって肌に合う合わないが大きく分かれる という点です。
駿台文庫のテキストを本屋などで開いてみると分かるのですが、どことなく無味乾燥な仕上がりであったり、独特のフォント、図面配置がなされています。
受験時代に活用していた『システム英単語』には、なんともいえないテントウムシのキャラがページのあちこちに散ってたなぁ…なんだったんだろあれ…(いまは改訂されています)。
また、定評のある講師陣もひとクセある方が多いのも特徴でしょう。毒舌ながら分かりやすい例を挙げてくれる講師や、ポイントが非常にまとまっていながらも雑談が多めな講師など、「万人受けする」というには個性が立っている陣営がそろいがちです。
以上より、駿台予備校の最大の注意点は「人によって好みが分かれてしまうこと」にあると思料します。ですが、医学部受験にはもってこいの王道予備校です。そのため、資料請求してみたり、説明会に参加してみたりした上で、「駿台はちょっと…」と感じたら大手予備校で次に推したい河合塾を選ぶのが良いでしょう。結局は、自分の肌に合うか合わないかを自分の目で見て判断するのが大切!
大手予備校に通うのであれば、<原則>として駿台予備校へ通うのがおすすめ! ただし<例外>的に肌に合わないと感じたのであれば、河合塾へ行くことをおすすめします!
では、今日はここまで! お疲れさまでした!
▼別記事で、予備校・教材情報をまとめています▼