【東京医科大学】面接・小論文の傾向と対策+志望理由例+過去問の模範解答集【対策はこれだけ!】

小論文

小説のように心情等を“推測”させる

東京医科大学

60分/600字以内

本文は平易

“推測力”が求められる

8

総合難易度

5

時間・文章量

2

問われる知識

2

読解の難易度

面接

傾向と対策
大学の特徴
合格者の志望理由例

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小論文

傾向と対策
過去問の模範解答集
2022年度(良い文章とは何か)
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 私が「紋切型でない言葉」と出会ったのは、私の結婚式で友人が祝電をくれたときである。友人はGoogle検索で見つけた『祝電のテンプレート集』を印刷し、それを式場へと送付していたそうだが、前日になって「俺っぽくないな」と感じ、自分で考えた祝電へと差し替えをお願いしたそうだ。そんな友人からもらった祝電の内容が以下のとおりである。「独身の俺からすると、お前が結婚するまで『なんで人と人が結婚するのか』分からなかった。子どもの面倒も見なきゃいけないし、仕事も簡単に辞められない、そのほか介護・家族関係でも法律上の制約がいっぱいあって、損ばかりだなって。でも、この前結婚する2人の写真を送ってくれただろ?あれ見てたら『あぁ、この人とだったら損してみたい』って思えるから結婚するんだろうなって思ったよ。俺もいつかそんな人見つけるからな!」。

 上で述べた友人の祝電は「損する」や「結婚する」といった紋切型以上の紋切型の言葉(共通語)を基にして構成されている。しかし、自分の肉声で普通にしゃべるように書かれ、自分が生まれた時から聞いてきた言葉を突き進んだ結果、「『この人とだったら損してみたい』って思えるから結婚する」という、およそ他人の声から聞こえてこないような言葉を見出している。だからこそ、友人からもらった祝電の文章は「紋切型でない言葉」であると言え、真摯に私へ向き合おうとする誠実さが感じられるのだろう。

(593字)

 

2021年度(人間特有の苦しみ)

 人間が重い病気を患ったときの『人間特有の苦しみ』とは、精神的・社会的・スピリチュアル的な苦痛のことを指していると考える。人に限らず他の生物たちも、身体的な苦痛については感じている。しかし、他の生物たちが重い病を患ったとき、「皆に迷惑をかけた…」と精神的苦痛を感じたり、「いまの仕事、人事評価はどうなるか…」と社会的な苦痛を感じたりすることはおそらくないだろう。まして、死を目前にしたとき、「私はこういう死生観・宗教観をもって死にたい…」といった、スピリチュアル的な苦痛を他の生物たちが抱えることは想像できない。上記のような、精神的・社会的・スピリチュアル的な苦痛は、『人間特有の苦しみ』といって過言ではない。

 では、こういった『苦しみ』はなぜ生じるのか。それは、人間に前例のないほど発達した脳が備わっているからである。人間は生物学上、他に類を見ないほどに脳を発達させ、精錬された思推活動ができるようになった。その結果、人間同士で助け合い、思いやる心を獲得した一方、精神的・社会的・スピリチュアル的な苦痛(悩み)をも抱えるようになってしまったのではないか。医療現場には、上で述べてきたような微妙で繊細な想いを抱えた患者さんが多く来院することになる。医師を目指す私たちも、人間へのあくなき興味と関心を抱き続け、寄り添う心や共感の姿勢をもって真摯に接していくことが肝要である。

(600字)

 

2020年度(人間が作り出す物語)

 本文のお母さんは、自身の息子へ初の一人旅をさせ、その旅先で飛行機の墜落事故が起きたという特異な状況に立たされている。その悲惨な現状を前にしたお母さんは、たとえ運営法人・製造元・行政といった外部に現実的な帰責性があれども、「自分が子供を殺した」というフィクションの中に苦しみの源を置くことで、墜落事故を自身への戒めと捉え、社会へと還元する責務を課する意味を持たせたかったのではないか。筆者はそのお母さんの姿勢をテレビで観て、より苦しみに満ちた物語を創生することにより、新たな生き方を見出していく積極的・肯定的な生き方を捉え、人間が作り出す物語の尊さを感じている。

 私も本文のお母さんから、医療に携わる者として学ぶべき姿勢を感じた。医療の第一義的な目的は、患者の救命活動を行うことであるが、どのような患者も救命できるわけではなく、ときに懸命な手術・投薬等を行っても救えない命は出てきてしまう。このとき、外部に帰責性を持たせることはできるのかもしれない。しかし、「自身の実力不足だ。もっと早く、もっと正確に処置をしなければならない」「この患者の死を無駄にしてはいけない。もっと良い薬を見出さねば」と自身へ責務を課すことで、将来の患者へ医療を還元することができるのだ。そのため、積極的・肯定的に今後を歩むため、あえて自責のフィクションをつくりだすこともときには肝要であろう。

(583字)

 

おかまる

おかまる受験コンサルティング株式会社 代表|33歳|医学部受験予備校 面接・小論文講師|茨城県出身|小論文検定1級|1級FP技能士|偏差値38→72(慶應・筑波合格)▶慶應義塾大学SFC▶最大手生命保険会社▶予備校で3年連続関東圏No.1評価|大学で研究した 脳科学に基づく“わかりやすい話し方、文書・資料の作り方”を売りにし、講師歴や実績を10年以上重ねる。講義のモットーは「楽しく、わかりやすく!」。趣味は3歳の娘とプリキュアごっこすること。

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