愛知医科大学の赤本はコチラ(小論文の問題は未掲載)
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2018年度(少年と壺の物語)
医科大帰りの少年は、「世界中の患者さんが抱えている苦悩を少しずつもらってきてほしい」と言い放った。魔人が唖然とする中、少年は続ける。「大学の先生に『患者さんの苦悩に共感する姿勢が足りない』って叱られたんだ。たしかに、僕は大きな病気・ケガを負ったことないから、患者さんの抱える苦悩がわからない…でも、そんな僕はもう嫌だ。」「ふむ…その願い、引き受けた。」魔人はそう言うと、高く手をかざしパチンと指を鳴らす。それと同時に、世界各地の患者は「あれ、なんだか気持ちが軽くなった…」「いまなら手術を受け入れられそう…」と感じ、病気・ケガに対する悩みが不思議と少しだけ和らいだ。
「ナンダコレハァァァァァ…!」。世界各地の安息とは逆に、想像もできない感覚が少年を襲い、辺りは少年の悲鳴が響き渡った。一夜かけて、少年は世界中の患者が抱える苦悩を一度に浴びた。世界中の人々から少しずつ苦悩をもらってきても、その量は計り知れないのだから当然であろう。少年は擦り切れるような思いを抱えたと同時に、患者さんの抱えるケガ・病気に対する苦悩を痛感したのだ。
夜が明け、朝の陽ざしが少年を射す。少年は自然と涙が出ていた。おそらく、“世界中には、多くの患者の抱える苦悩があるのだ”ということを学び、その苦悩に強く共感したのであろう。-そうこれは、誰よりも患者の苦悩に共感し、多くの命を紡ぐため奔走した外科医が、少年時代に経験した話である-
(599字)